迷信を信じますか?
次の日、またもや他の二三人の選手が空樽を一ぱい積んだ荷車を見たといって打ちはじめ、その次の日にも他の数人・・・
こういったぐあいで一週間のあいだ、空樽を一ぱい積んだ荷車が巨人軍の宿舎の前を通り過ぎ、そして全選手が当たりを完全にとりもどすことになりました。
・・・この話には、じつは滑稽な結末が付いています。
数日たってからのことだが、仕事ズボンをはいた一人の巨大漢が巨人軍宿舎へやってきて、マクグロウ監督に会いたいと言いました。
「マクグロウさんは外出していて留守ですよ。なにか用事ですか」
・・・と尋ねると、その男は不平そうに、
「そうなんです。あっしは金を支払ってもらいにゃって来たんです」と、いう。
「何の金ですか」
「空樽のはこび賃ですよ。あっしは毎日荷車に空樽を一ぱい積んで、この宿舎のおもてを通るようにって監督さんから頼まれていたんです」
・・・べーブ・ルースはこの話のおわりに、監督は迷信をもって迷信を制し、そして勝った。
なんというスマートなやり方だろう、とひどく賞讃しております。